【書評】思考停止という病 著者:苫米地 英人

◆書評◆
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こんにちは、中華飯です。

今回紹介する本は苫米地英人氏の著書「思考停止という病 」です。

日本人は思考停止している。

それを脱却し創造的な問題解決を行うためのヒントを抽出します。

これを理解していきましょう!

日本人は思考停止している

日本人がみんな思考停止しています。

特に斜陽産業に働いている方は思考停止しています。

思考というのは、創造的な問題解決活動のことと言う定義します。

生命活動の定義と思考の本質

グレゴリー氏の生命活動の定義を引用し、思考を以下のように捉えます。

生命活動の定義:制約空間(スペース)をランダムウォークしながらヒルクライミング(進化)する

ここで言うスペースは制約空間のことで、ウォークは突然変異のことです。

ヒルクライミングするっていうのが進化と捉えるといいかなと思います。

魚を例にする

この定義を魚の進化を例に解説しています。

海という制約空間の中で、突然変異(ランダムウォーク)を起こしながら、陸上という新たな環境に適応し進化(ヒルクライミング)していく。

これが生命活動の本質であり、これこそが思考であると主張します。

つまり、「現状に留まらず、常に新しい可能性を探り、進化し続けること」が思考の本質であると言えるでしょう。

思考力が弱い3つの理由

著者は、日本人の思考力が弱い背景には以下の3つの要因があると指摘します。

  1. 思考停止力
    過去の経験や知識に縛られ、現状維持の最適解を探すばかりで、新しい視点や発想が生まれない状態。
  2. 知識不足
    「目は写っているけど見えていない」状態。
    ダイヤモンドを知らない人がダイヤモンドを見ても価値を認識できないように、知識がないために目の前のチャンスや問題の本質を捉えられない。
  3. ゴールがない
    本気で成し遂げたいという意志の力がなく、思考の方向性が定まらない。

思考停止を打破するための3つの処方箋

これらの思考停止状態を打破するために、著者は以下の3つのアクションを提唱します。

  1. アクションゴールを作る
    現状の枠組みを超えた、強烈なゴールを外部に設定すること。
    これにより、「見えていない」状態を克服し、思考を活性化させる。
  2. 知識を大量に入れる
    インプットを増やすことで、データと主張を結びつけるための材料を豊富にする。
  3. トゥールミンロジックで考える
    データ(主張を裏付ける事実)とクレーム(主張)を結びつける「根拠(ワラント)」を意識的に考える思考法を習得する。

知識偏重の危険性と「考える」ことの重要性

著者は、前例主義に陥り、過去の最適解ばかりを求める仕事のやり方を批判します。

大量の知識は問題解決の有効なツールとなりえますが、それだけではダメです。

データと主張を結びつける「根拠を考える」プロセスこそが重要であると強調します。

まとめ:「思考」は創造的な問題解決活動

本書を通じて、苫米地氏は思考とは単なる知識の想起ではなく、「創造的な問題解決活動」であると繰り返し主張します。

ゴール設定、知識のインプット、そしてトゥールミンロジックを活用した思考法は、私たちが思考停止から脱却し、変化の激しい現代社会で主体的に生き抜くための重要な武器となるでしょう。

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