【書評】会社はこれからどうなるのか その2 著者:岩井克人

◆書評◆
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皆さんこんにちは、中華飯です。

今回は「会社はこれからどうなるのか その2」と題して、資本主義の変遷と今後の会社の在り方について考えてみたいと思います。

資本主義とは、利潤を永続的に追求していく経済活動のことです。

言い換えると、「差異性」から利潤を生み出すということです。

資本主義の3つの段階

この資本主義には、大きく分けて3つの段階がありました。

資本主義の3段階
  1.  商業資本主義
  2.  産業資本主義
  3.   ポスト産業資本主義

 

1. 商業資本主義

商業資本主義とは、2つの市場の間の価格差で利潤を生み出す仕組みです。

例えば、昔はイギリスでは胡椒がなくて、インドでは胡椒がありました。

そのため、インドの胡椒はイギリスで高く売れました。

このように、地域ごとの価格差を利用して利益を得るのが商業資本主義です。

2. 産業資本主義

次に登場したのが産業資本主義です。

これは産業活動を通して利潤を生み出す資本主義で、産業革命によって生産性が飛躍的に向上したことと、安い賃金の労働力の差によって利潤が生まれました。

つまり、高い生産性と安い労働力の差を利用して利益を得るのが産業資本主義です。

ちなみにこの仕組みが成り立つためには、安い賃金で働く大量の労働者が必要不可欠です。

農村にいる安く働く労働者が都市部に流れるような構造が必要なのです。

3. ポスト産業資本主義

そして現代は、ポスト産業資本主義の時代に移行しています。

これは、意識的に「差異性」を作り出して利潤を生み出す資本主義です。

ここで重要なのは、情報の商品化です。

人的資産の価値

ポスト産業資本主義においては「お金で買えるもの」よりも「お金で買えないもの」の方が価値が高くなっています。

産業資本主義ではお金で買える設備で生産性を上げることが重要でした。

しかしポスト産業資本主義では情報を商品化することのできる人間が、より重要になります。

つまり、人的資産の価値がより重要になってきているのです。

今後は、組織的・特殊的な人的資産を持つことが、会社にとってますます重要になっていきます。

単なるモノやサービスだけでなく、「人」そのものの価値が問われる時代です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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