【書評】地頭力のはじめ方 著者:細谷 功

◆書評◆
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こんにちは、中華飯です。

今回紹介する本は「地頭力のはじめかた 」の書評です。

複雑な現代を生き抜くには「地頭力」が重要と説明した本です。

これを理解していきましょう!

変化が激しい現代

今は「VUCA」の時代と言われています。

VUCAとは変動性(Volatility)不確実性(Uncertainty)複雑性(Complexity)曖昧性(Ambiguity)の頭文字で、予測が難しく変化が激しいことを表しています。

このVUCAの時代に必要なのが「地頭力」です。

地頭力とは?

地頭力とは「自ら能動的に考える力」です。

多くの人が見ているYoutubeやTVは、一方的に情報が流れてくるため、受動的になってしまいます。

こういう状態に慣れてしまうと能動的に考えることができなくなります。

地頭力の本質

地頭力の本質は下記の3つです。

  1. 結論から考える
  2. 全体から考える
  3. 単純に考える

自分の立っている位置から、物事を遠くに見ているとします。

その時に、向こう側(結論)から、上空(全体)から、離れたところから(単純に)考えるイメージです。

問題解決の手順

問題解決は3ステップあります。

  1. 情報を集める(知識・記憶力)
  2. 価値を加える(地頭力)
  3. 伝える(対人感性力)

昔は情報を集めるのがすごい大変でなったので、情報集める/自分が知識を持ってること自体がものすごいアドバンテージでした。

だから能力はあまり必要なくて、知識とか記憶力の方が重要でした。

しかしながら今や検索エンジンが発達してきたので、情報は誰でも集められてしまいます。

だから付加価値をつけることが差別化のポイントになってきますので、地頭力が重要なんです。

考えることは4層構造

考えるというのは4層構造になってます。

  • 1番下:「知的好奇心」
  • 2番目:「具体と抽象で考えられる力」
  • 3番目:「論理的思考力」「直観力」
  • 一番上:「地頭力」

地頭力は重要なものの、その下の1番目~3番目までの土台があって始めて地頭力が育つのです。

一番下の土台になる「知的好奇心」

知的好奇心とは「これはなんだろう?」と考え始めることです。

多くの人は考えることなく、反応しかしてません。

まず考えることから始めないと、地頭力を鍛える以前の問題となってしまいます。

2番目の「具体と抽象で考えられる力」

実はこの本は2007年に出版されており、15年経って改定されています。

その改定時にこの「具体と抽象で考えられる力」が追加されています。

詳細を説明すると、それだけで1冊の本になってしまいます(実際同じ著者から「具体と抽象」という本が出てます)ので、今後紹介したいと思います。

論理的思考力と直感力

3番目は論理的思考力と直感力です。

論理的思考力はすべての考えの基礎だ思われてるかもしれないですが、そうではありません。

論理的思考力ではひらめきは出てこないので、直感力も3層目に含まれます。

結論から考える(仮想思考力)

結論から考えることは、時間に対する感度を上げることが大事です。

例えば遅刻しそうな時は、誰しも結論から考えます。

寝坊をしてしまった ⇒ 何時までに出社しなきゃいけない ⇒ その時間に出社するには何時の電車に乗らなきゃいけない ⇒ 何時の電車に乗るには家を何時に出なきゃいけない この一連の流れが「結論から考える」状態です。

せっぱつまった状態っていうの思い描くと、結論から考えることができます。

全体から考える(フレームワーク思考力)

全体から考えるには、テンプレートを使うのが有効です。

テンプレートについては詳細を説明している本がたくさんあるので割愛しますが、マーケティングの4Pとか製造のQCDとかが該当します。

なぜテンプレートを使うのが有効かと言うと、全体から考えると非常に難しくて簡単にはできないからです。

1番汎用性があって使いやすいテンプレートは5W2Hです。

単純に考える(抽象化思考力)

単純に考えるとは、抽象化することです。

具体的な事象は「それはなぜか?」と考えることで抽象化できます。

詳細は「具体⇄抽象化トレーニング」という本を参照してください。

自頭力を鍛えるトレーニング

地頭力を鍛えるトレーニングとして有効なのが「フェルミ推定」です。

フェルミ推定とは、本当の数字がわからないときに、身近な知識や簡単な計算を使っておおよその数を予想する方法です。

フェルミ推定で大事なことは、推定した数字が本当の数字と合ってるかどうかではありません。

その推定した数字を「どのように導き出したか」が重要です。この過程で自頭力を鍛えるのです。

自頭力のある人の説明

自頭力のある人は「難しいことを、簡単に言う」ことで説明します。

この逆の「簡単なことを、難しく言う」人がいますが、これはただのエセ知識人です。

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