【書評】影響力の武器その2 著者:ロバート・B・チャルディーニ

◆書評◆
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こんにちは、中華飯です。

今回は”影響力の武器”という本の書評です。

前回のその1の続きになります。

その1を読まなくても、ここから読んでも大丈夫ですが、全部重要なことが書かれているので、その1も読んでみることをお勧めします。

お笑い番組に流れる笑い声

これはある行動をする人が多いほど、それが正しい行動だと認識するのが社会的証明のルールですね。

お笑い番組を見た時に、笑いどころで流れる「観客の笑い声」が挙げられてます。

あの笑い声は録音されたものであって、実際の会場で起きた笑い声ではないんですけど、録音された声とわかっていても思わず笑っちゃうみたいな、そういう効果があるっていうことですね。

このルールが最も強く発動する条件は、ここでいう「ある行動」っていうのが、自分が確信を持てない時とか、自分と似ている人が行動している時です。

集合的無知

この社会的証明のルールの中で面白い現象があって、それが集合的無知です。

これは、「自分以外の多くの人がいると個人の責任が小さくなる」という原理です。

例えば、道端で人が倒れているケースです。

その時に周りに人が沢山いる状況だと、自分からなかなか助けに行こうって思えない。

これが自分しかいなかったら、責任感が湧いてきて助ける、みたいなことですね。

海外でも発生している集合的無知

日本でもそうなんですけど、こういった例ってアメリカなどの海外でも結構起こっているらしいです。

電車の中で暴力をずっと振ってたけど誰も助けに行かなかったとか、外で女性が暴行されているのに皆それを見ているだけ、みたいな事件とか。

そして、集合的無知が最も強く現れるのが、周囲にいる人が見知らぬ人同士だった場合です。

ウェルテル効果

ドイツの作家である、ウェルテルがある小説を書きました。

その小説では主人公が最後に自殺をします。

で、その本を読んだ人が自殺をしちゃうってみたいな事件が起きたそうです。

これも「ウェルテルの小説を読む」という自分と似てる人が行動(=自殺)するのに共感して、自分も自殺して、それが連鎖して増えたみたいな感じらしいです。

これをウェルテル効果と呼びます。

この効果は新聞などで顕著に現れるようで、例えば「20代の若者がお金がなくて自殺をしました」って記事を書くと、その新聞が配達されている地域の、20代のお金のない人たちの自殺が増えた、みたいな事例が紹介されています。

次に紹介するのが好意のルールですね。

最も頼みを聞いてあげたいって思うのは、相手のことよく知って、しかも自分がその人に対して好意を持っている時です。

これが作用するのが、5つパターンがあります。

好意のルールが作用する5つのパターン
  • 見た目が良い人
  • 自分と似ている人
  • お世辞とか称賛を言われた時
  • 馴染みと共同
  • 条件付けと連合

「見た目が良い人」とか「自分に似ている人」っていうのは、自分が好意を持ちやすいので、そういった人の頼みを聞いてあげたい、というわかりやすい例ですね。

「お世辞と賞賛」は、言われて嬉しい気持ちになれば頼み事を聞いてあげたくなる、というものです。

4つ目の「馴染みと共同」っていうのは、自分が親しんでるものとか、さらに他の人と一緒に作業した時とかは、頼み事を聞いてあげやすくなるというパターンです。

5つ目の「条件付けと連合」は少しわかりにくいので、次で説明します。

条件付けと連合

最後の「条件付けと連合」の説明です。

これは、良い出来事と関連があるだけで、それは良いものだと判断することです。

CMとかがわかりやすい例で、自分の好きなタレントが何か物を紹介したら、そのもの自体がよく見えるみたいな経験は誰しも持っているのではないでしょうか。

本の中で面白い例が紹介されてて、それは天気予報士の例です。

天気予報士が今日は晴れですって言うと、「この天気予報士はいい人だ」と判断されて、今日は雨ですとか雪ですとか嵐ですって言っただけで、天気予報士の好感度が下がるようです。

この例でわかる通り、「天気予報士の人柄」と「天気が晴れになるか雨になるか」は全く関係ないものの、その天気の良し悪しに引っ張られて、その予報士の評価が何か変わるという面白い話です。

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