【書評】幸福の資本論 その2 著者:橘玲

◆書評◆
Pocket

こんにちは、中華飯です。

今回は、「幸福の資本論 」の書評です。

幸福になるために必要な資本について解説した本です。

前回からの続きで、今回は幸福に必要な3つの資本の具体的な解説です。

一緒に読み解いて、幸福への一歩を踏み出していきましょう!

自由になるために必要な金融資産

自由は、前回紹介した幸福になるための3条件のうちの1つです。

自由の定義は「誰にも何者にも隷属しない状態=縛られていない状態」です。

この自由を獲得するには条件があり、その条件は「経済的独立していること」です。

つまりお金=金融資産がないと自由になれないのです。

収入と資産の幸福上限

お金が増えると幸福になる、これは感覚的にも理解できるところだと思います。

ただし、お金が増える程どんどん幸福になるのではなく、ある一定水準を超えると幸せに寄与しなくなります。

年収でいくと800万円以上(共働きであれば1,600万)、資産は1億円以上になると幸福感が変わらないことがわかっています。

人的資本の3つのルール

人的資本は自己実現につながります。

人的資本のルールとしては、下記の3つです。

  1. 利益は大きければ大きい程良い
  2. 同じ収入なら安定している方が良い
  3. 同じ収入なら自己実現できる仕事が良い

3つありますが、1.と2は感覚的に理解できると思います。

給料は多ければ多い方が良いし、同じ給料だったら安定したほうが良いのは、その通りだと思いますよね。

3つ目だけが少し特殊で、同じ年収なら自己実現できる仕事が良い、これが人的資本にしかない大きな特徴です。

人的資本の最適戦略

人的資本を最適化する戦略としては2つあって、1つは人的資本からより多くの富を手に入れる。

つまるところ、同じ働くのだったら収入が多いところ目指してください。

2つ目が人的資本を使って自己実現をする。

このためにやることは1つで、自分の好きなことに人的資本のすべてを投入すること。

そしてその自分な好きなことに時間を全部投入して、かつその好きなことをマネタイズできるニッチを見つけてる。

まとめると、好きなことで収入を得られる状態を作ること、これが人的資本最適化の方法です。

老後問題を考える

ここで老後問題を考えてみます。

まず老後というのは、人的資本を失った状態、つまり働いてお金をもらえなくなった状態と定義します。

ところで、定年も過ぎてその後も長く働けば、当然老後は短くなります。

ということはと、長い間働いて不安がなくなるところまで老後を短くしていけば、老後問題を解決できることになります。

幸せは社会資本からしか生まれない

最後3つめは社会資本の話です。

「幸福のための社会資本」の意味の通り、幸せは社会資本からしか生まれません

アドラーも同じことを言ってます。

3つに分かれる空間

社会資本は3つの空間に分かれます。

  1. 愛情空間(≒家族)
  2. 友情空間(≒友達)
  3. 貨幣空間(上記以外。例えばお店の店員など)

愛情空間は愛情による関係で、主に家族などです。

友情空間は友達関係になり、貨幣空間はその他で、例えば物を買う時に接する店員がこれに該当します。

愛情空間と友情空間は「政治空間」と定義されてます。

3つの空間の重要性と人数

この3つの空間の人数構成は、愛情空間が数人~多くて10人から20人、友情空間が数十人単位なのに対して、貨幣空間が圧倒的多数になります。

空間の物理的な大きさだけで行くと、貨幣空間が桁違いに大きい状態になります。

ただし人間がどう感じてるかと言うと、愛情空間が8割ぐらいで、その外に友情空間が約2割程存在する、貨幣空間に関してはもうほぼ認識してないような状態になってます。

物理空間に対して、人間の認識は大きな乖離があるということです。

3つの空間の性質

愛情空間と友情空間は「政治空間」と定義したのは、この2つの空間が「権力ゲーム」だからです。

好きになる、または好かれるために権力が関与し、関係は縦型のピラミッド構造となって複雑な関係になりがちです。

一方で貨幣空間はお金儲けゲームで、資本主義みたいな感じで、シンプルでフラットな関係になります。

お金儲けゲームである貨幣空間はみんなが幸せになることはあり得るものの、政治空間でみんな幸せになることは非常に難しいです。

これは学校のクラスの中で1番人気の美人の子がいるケースを考えるとわかりやすく、誰かがこの美人と付き合ったら、残りの人が不幸になってしまいます。

社会資本の最適化戦略

社会資本の最適戦略は、結論「強いつながりをミニマム化」して「その他の関係を貨幣空間で置き換える」ことです。

その1でお話したように、3つの資本を揃えるのは難しく、その理由は金融資本と社会資本が相反するからです。

それに対する処方箋として人間関係を愛憎空間に絞ることによって、人間関係のトラブルを最小化しています。

こうすることで3つの資本をレベルの高い状態で揃えることができて、これが幸福になる最適じゃないかと提案しています。

本当の自分の行方

最後に「本当の自分はどこにいるのか」という話をします。

本当の自分を探しに旅行にいったりボランティアに参加したり、お寺で瞑想に走る人がいますが、そんなことをしても見つかることはありません。

なぜなら本当の自分とは、幼い頃に友達グループの中で選び取った「役割=キャラ」だからです。

なので今を探しても見つからないので、過去の自分と向き合うことが本当の自分を見つける唯一の方法です。

Pocket

タイトルとURLをコピーしました