【書評】幸福の資本論 その1 著者:橘玲

◆書評◆
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こんにちは、中華飯です。

今回は、「幸福の資本論 」の書評です。

幸福になるために必要な資本について解説した本です。

資本がないと何故不幸になるのか?地元のマイルドヤンキーは何故幸福なのか?

一緒に読み解いて、幸福への一歩を踏み出していきましょう!

日本に生まれた幸運

今の日本に生まれたことが、最大の幸運です。

なぜならば生活水準等を見たときに、下を見ればキリがないんですけど、上を見るとすぐそこに天井が見えます。

つまり、日本より裕福そうな国を探すと数える程しかないのに、貧しい国を探すと数え切れないくらい沢山あります。

だから世界の中で見ても、日本はかなり上の方の良い位置にいます。

人間は自動的に幸福にならない

人間は幸福になるために生きてはいるものの、幸福になるようにデザインはされているわけではありません

生きているだけでは幸福になるとは限らないのです。

ちゃんと考えていかないと幸福にはなれません。

幸福の条件

幸福になるための条件が3つあります。

  1. 自由であること
  2. 自己実現できていること
  3. 共同体に所属すること

この3つは、家でいうと「土台」にあたるものです。

土台がしっかりしていない場所の上に、どんな立派な家を建てても傾いてしまう様に、この3つの条件を満たさないことには、どうやって生きても結局幸福にはなれません。

幸福に必要な3つの資本

幸福になるための資本は3つあります。

  1. 金融資産
  2. 人的資本
  3. 社会資本

この「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つをインプットすると、途中どう変換されるかわからないものの、最終的に「幸福」というアウトプットが出てくるイメージです。

3つ全てそろえる必要はない

上記は必ずしも3つ全て必要なわけではありません。

「金融資産」と「人的資本」だけで幸福になる人もいれば、極端な話「社会資本」だけで幸福になれる人もいます。

これはその個人の生き方や考え方(これが上記の途中に変換されている要因です)によるので、3つとも必要な人もいれば、1つで幸福になれる人もいるのです。

ただしこの3つが全てなくなると、確実に不幸になります

インプットがなくなると、アウトプットとして出てくるものがなくなるからです。

田舎のマイルドヤンキー

例として、地元のマイルドヤンキーの話をします。

地元のマイルドヤンキーはお金は持ってないし、働く稼ぎが良いわけでもないのに、みんな幸福そうにしています。

これはなぜかと言うと「金融資産」と「人的資本」はないけれども、「社会資本」が沢山あるからです。

社会資本が豊かな人の生活

地元のマイルドヤンキーは地元であるがゆえに、学生時代からの友達がいっぱいいます。

その友達と100円ショップで買った道具と、安いスーパーのお肉でバーベキューをやるだけでも楽しい状態です。

お金をかけなくても、定期的に友達と遊んでいれば幸福感を得ることができるのです。

こういった状況であれば、例え普段の生活がカツカツでも、楽しみがあるので幸せになれます。

全ての人が幸福にはなれない

ただし、この状態はいつまでも続きません。

ある時その友達の1人が結婚します。

結婚した人は友達仲間から卒業して、これまでと違った形で幸福を探していくんですけど、残された人は人数が一人減った状態になります。

こうして結婚する度に人数が少なくなり、そして最後残った人は、友達が結婚した結果として3つの資本の中で唯一豊富であった社会資本がなくなり全ての資本が0になって不幸になります

こう考えると、普通に生きているだけでは必ず不幸になる人がいる、というのも納得してもらえると思います。

3つの資本をそろえるのも無理ゲー

先ほど3つ全て揃える必要はない、と言いましたが、実は3つ揃えるのはかなりハードルが高いです。

何故かと言うと、金融資産が沢山ある(=お金を沢山持っている)と、必ず人間関係トラブルを産むからです。

つまり金融資産と社会資本が一部背反してるので、全部を取り揃えるような人はかなりレアなのです。

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