【書評】幸せになる勇気 その1 著者:岸見一郎/古賀史健

◆書評◆
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こんにちは、中華飯です。

今回は 「幸せになる勇気 」の書評です。

幸せになるのに、何故勇気が必要なのか?

気になるタイトルですよね。

アドラー心理学の入門教科書ともいえる本書の内容をしっかり学んんでいきましょう!

アドラーの考える「幸せ」とは

アドラーが考える幸福っていうのは、一言でいうと「愛」です。

愛が幸せにつながると言っていて、愛することはとても勇気を試されると言っています。

何故愛に勇気が必要なのか?

幸福とはその場にとどまっていて享受できるものではなくて、常に歩み続けることで得られるものです。

「歩み続けなければいけない」言われても、どういうことかピンとこないですよね。

これには本書の内容をしっかり理解しないとわからないと思います。

それでは本編に入っていきましょう。

青年の職業と

主人公である「青年」は教師で、アドラーの考えを元に子供たちに教えようとしていました。

ところが「褒めてはいけない」「叱ってはいけない」というアドラーの思想は理想論であり、現実にはその思想で教育するのは無理だということを、青年は身をもって体験することになりました。

それをアドラーの師匠であり友達でもある「哲人」に、アドラー心理学は理想論で現実的ではないことを知らしめるために訪問したところから物語は始まります。

教育の目標

教育の目標は子供たちを「自立させる」です。

アドラーの言う自立というのは、私の価値を自ら決定することです。

教師として自立を促すのに、介入をするのではなく援助すると言う立場をとってます。

教育の入り口

教育の入り口は「尊敬」であり、尊敬するところから始めてください。

尊敬するとは、人間の姿をありのままに見てその人が唯一無二の存在である、と知る能力のことです。

つまり尊敬するということは、信頼するということです。

教育者はカウンセラー

またアドラーは教育者をカウンセラーと位置づけてます。

「教育者が上、生徒が下」ではなく、教育者と生徒は同等の立場であるという考えです。

カウンセリングで使う三角柱

悩みの相談の内容は、殆どの場合「悪いのはあの人」「かわいそうな私」という話です。

これは三角柱の2面を示していて、実はこの2面を同時に見ていると残りの1面は見えません。

では残りの1面に何と書いてあるのか?

それは「これからどうするのか」です。

悩みに対しての唯一の答えは、次にどのように行動するかなのです。

賞罰を否定する理由

アドラーは賞罰を否定しています。

なぜ賞罰を否定するかと言うと、懲罰与えると競争を生んでしまうからです。

競争をすると幸せになれません。

これについてはその2でお話します。

人間の問題行動

人間の問題行動には5段階あります。

5つの行動段階
  1. 賞賛の要求:褒められなければ適切な行動をしない
  2. 注目の換気:注目を集めて地位を得ようとする
  3. 反抗:ルールを破る、不従順
  4. 復習:愛の裏返しが憎しみ。相手が嫌がることを繰り返す
  5. 無能の証明:自分がいかに無能であるかを証明しようとする

このうち、1~3は所属感(=共同体の中で特権的な地位を得ること)を追求した行動です。

賞罰を与えてしまうと「褒められること」をめぐって周りとの競争になってしまいますので、この段階までに尊敬によって価値があると伝えることが大切です。

4と5の段階になると、当人では解決できないので、第3者に助けを求めるしかありません。

競争を避けるためには

競争を避けるためにできることは何か?

それはコミュニケーションです。

コミュニケーションの目的は、最終的には合意の形成です。

相手と何らかの合意をするための手段の一つがコミュニケーションで、つまり「話し合い」なんですね。

暴力とコミュニケーション

コミュニケーションと対比するものとして「暴力」があります。

暴力っていうのは結局のところコストが低いんです。

危害を加えたり怒ったりするだけで自分の要求を通せてしまうのですから。

だから話し合いによって解決しようとするととても労力がかかるんだけども、でもここを目指さなきゃいけないのです。

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