こんにちは、中華飯です。
前回はインフレが起きるメカニズムを解説しました。
今回は、なぜ今回世界中で需要が増えて、かつ供給が減ったのか、
このあたりを解説していきます。
前回の記事はこちらになってますので、
もし未読の方や、インフレのメカニズムが知りたい方は
是非ご一読ください。
需要が増えた理由
まず、需要が増えた理由を解説します。
需要が増えた理由は、ずばり「巣ごもり消費」です。
コロナ禍になったので、家にいる人が増えて、
家の中で過ごすための需要が増えたのが原因です。
正確には「需要が増えた」のではなくて、
「需要がシフトした」と表現するのが正しいかもしれません。
なぜなら、全体の需要が増えたわけではないからです。
「シフトした」ということですから、
巣ごもり消費が増えた分、どこかの需要が減ったと考えられます。
どこの需要が減ったのでしょうか?
減ったのは「対面を基本とする産業の需要」です。
飲食店やジム、映画館などの需要ですね。
これらのは人を集めることを基本としているので、
どうしてもコロナ感染のリスクが高くなってしまいます。
読者の方でもこれらのサービスの利用を控えた人は多かったのではないでしょうか。
これはもっと単純に言うと、
サービス消費からモノ消費にシフトした、ということです。
先進国では消費の割合は、
だいたいサービス6割:モノ消費4割といわれています。
ところが、コロナ禍でそれが
サービス4割:モノ消費6割に変化しました。
消費額の総額はコロナ前後で変わってないとすると、
単純計算でモノの需要が1.5倍になったのです。
一方、モノの製造は急に供給を増やすことができません。
このことにより供給に対して、需要が大きくなってしまったのです。
供給が減った理由
次に、供給が減った理由について解説します。
ここからが世間であまり知られていないところですね。
先ほどの需要がシフトした話は
消費者から見た行動の変化でした。
これを労働者から見た行動の変化に目を向けるとどうなるでしょうか?
そうです、労働者のマインドも変わってしまったのです。
サービス業であれば接客で人間と対面することは避けられません。
製造業でも会社に行けば、必然的に人間が集まっています。
そんな環境に嫌気がさして会社を辞めた人が結構な人数いるのです。
そうして供給が減ってしまったのです。
日本に限っていうと、離職するのは一大事です。
なので、個人的には日本はあまり供給が減った感じがしていないです。
日本だけインフレ率が他の先進国より低いのは、
このあたりに理由があるのではないかと思っています。
サービス業の値段が下がらない理由
ここまでの話の中で、
「サービスは需要が減ったので、デフレになるのでは?」
と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれません。
鋭い指摘です。
これについては、サービス業のコストの面から説明できると考えてます。
どういうことかというと、
サービス業のコストは「人件費」の割合が高いです。
人件費=給料なので、給料を下げないと人件費は圧縮できません。
また、モノの値段が上がっているので、
仕入れの値段も上がっています。
需要がなくなったからと言って、かかるコストは減らないので、
サービス業はデフレになりにくい構造になっています。
これがサービス業がデフレになりにくい理由と言えるのではないでしょうか。
今回のまとめ
今回は需要が増えた理由が消費のシフトであることと、
労働者のマインドが変わったことによって供給が減ったことをお伝えしました。
次回は、何故今まで起きなかったのに、今回このようなことが起きてしまったかを解説します。
これからも役に立つ情報を発信していきます。フォローしていただけると更新を見逃すことがありませんのでよろしくお願いします。
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